木質構造の性能評価(テーマ2)

【背景と目的】
 平成22年の「公共建築物等木材利用促進法」施行を契機に,低層構造物での木質構造の検討が進んでおり,種々の接合金物・高耐力のパネル・免制震等デバイス等の開発と適用が進んでいる.本研究ではこれらの構造要素を数値モデル化し,強震時の挙動評価を可能とするための基礎的検討を実施する.具体的には震動実験による検証を含めた数値解析モデルの提案を目標とし,耐震性能評価のためのシステムの検討を実施する.

【研究成果】
 木質構造については,現在一般的に建築例の多い在来工法を中心に,各種の補強金物,あるいは制震デザイスを組み込んだ住宅用のフレームの実大モデルを数スパン取り出し,震動実験を実施することで基礎データを蓄積し,数値解析手法の検証を実施した.また,適用事例として大スパンを有する木造建築の耐震設計や耐震補強に関する検証中である.

      
図1 耐震設計と診断への適用イメージ


図2 震動実験対象と解析結果の例

【関連論文リスト】

  • 武藤 厚,前田大介,梶原由貴,村田 賢:「スペースフレームの3次元解析システムの拡張と応用−鉄筋コンクリート部材の弾塑性解析機能の組込みと検証−」,構造工学論文集,日本建築学会,Vol.59B,pp. 505-512,(2013-3) PDF